目次
始めるきっかけ
4歳半から顎を大きくするためにVキッズ(V kids)を使って他院で矯正治療をされていました。
Vキッズ(V kids)とは3歳ごろから使用可能な『小児口腔機能育成装置』で、乳歯の間に使用します。
使用方法は下の歯に取り外しできる装置を就寝時に入れます。
乳歯列の間はこの装置で歯列矯正を行なっていたようですが、新しく生えてきた永久歯の
下の前歯の重なりが気になるとのことで、当院にご相談いただきました。
治療前 / 現在
治療前 / 現在
治療開始時


現在
呼吸が起こす健康への影響
問診票では、いびき・歯ぎしり・おねしょなどの睡眠中の問題が多くあるとのことでした。
これは呼吸が大きく関係しています。正しい鼻呼吸ができると酸素が脳にわたります。
さらに正しい鼻呼吸は副交感神経優位な状態を作ります。
そうすることで睡眠の質は上がりいびき・歯ぎしり・おねしょの問題は激減されます。
さらに睡眠の質の低下が引き金となり日中の集中力の低下にもチェックが入っていました。
治療開始
まずはマウスピースに慣れることから
マイオブレース(Myobrace)矯正で使うマウスピースは医療用シリコンでできており
違和感などは比較的少ないです。
しかしお口に何かがあることが不快に感じやすいお子様もいらっしゃいます。
当院ではまずマウスピースに慣れていただくために、最初の2週間は
日中1時間と就寝時マウスピース装着をお願いしています。
その後マウスピースに慣れてきたらアクティビティ(口腔周囲筋トレーニング)を実施しています。
こちらのお子様もはじめは気分が悪くなってしまう、夜つけたマウスピースが朝には外れる、
うっかりつけ忘れてしまうなどと、少し大変なご様子でしたが徐々に慣れてくれました。
就寝前につけたマウスピースが朝までつかない・・・
よく、付けられるかな・・・と不安を感じるお父さんお母さんがいらっしゃいます。
確かに多くのお子様が普段口呼吸をしているので、就寝時にも口呼吸である、
またはマウスピースと身体が馴染んでいない場合最初は外れることもありますが
少しずつ呼吸が変わればつくようになってくるので問題はありません。
一般矯正では難しいとされる開咬

歯並びはどんどん良くなっていきましたが、上と下の歯が噛み合わない開咬と言われる状態が残りました。
この開口と言われる状態は舌を歯と歯の間に挟んでいることが原因です。
開咬になる理由

舌の正しい位置は上顎です。
しかし普段から歯と歯の間に舌を挟んでいたり、飲み込む時に舌を出す癖があると
その舌の力が原因で開咬という状態になってしまいます。
これを治すためには舌を常にスポットと呼ばれる上顎の前歯の後ろに常に置いておく必要があります。
舌のアクティビテイに苦戦し、時間はかかりましたが舌位が改善させることで開咬も改善が見られました!
口を閉じるのはとても大変なこと

また、お口がぽかんと開いたままになっていることが多く唇を閉じるのが少し苦手な様子も見られました。
お口がうまく閉じられない理由としては、唇まわりの筋力が少し弱っていることや、
ご本人が開いていることに気づいていないことなどが考えられます。
そのためアクティビティで口を閉じる筋肉を鍛えるだけでなく、
テープやその他の補助グッズも使いながら、お口が閉じやすくなるように
いくつかご提案させていただきました。
本人の気持ちの維持
噛み合わせをより良くするために補助的な装置を使いたかったのですが、
そのためにはマウスピースをしっかりと装着できることが大前提となります。
そのことをお子さまにお話ししたところ、「がんばる!」と前向きな気持ちを見せてくれて、
無事に補助的装置を使用することができました。
今もその気持ちを持ち続けてくれていて、さらにご家族のあたたかいご協力もありここまで良くなりました。
卒業まで後少し!
このまま頑張ろうね!☺︎
監修者情報

エデュケーター さやか
経歴
- 2021年 3月 新大阪歯科衛生士専門学校卒業
- 2021年 4月 あみの歯科医院勤務
- 2024年 5月 うめきた矯正歯科勤務
- 2025年 7月 マイオブレース認定エデュケーター取得
- 2025年 10月 Dr.Chris Farrell. 20周年記念大会 受講




