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呼吸は生きていくために最も必要な機能です
食事は数週間、水は数日飲まなくても生きていくことができますが、呼吸は数分できなくなると人は生きていくことができません。
呼吸は体の機能の中で最も重要で歯並びだけでなく、体の全ての器官に影響を与えます。
呼吸量はここ数年で2倍に増加しています!
現代人の呼吸量がここ50年で2倍に増えているという報告があります。

90%以上の人に呼吸の問題があると言われていています。昼夜問わずお口が空いている光景は良く目にされますが、あまり問題視されていないのが現状です。
現代における呼吸の問題
現代における呼吸の問題は
①過換気・過呼吸が習慣化していること
②口呼吸が習慣化していること
このふたつがあげられます。
過呼吸や口呼吸は近代様式の生活スタイルによる影響が大きく、食生活やストレス、運動不足、PC・スマホ・タブレットなどの普及が関係しています。
体の中で大活躍な二酸化炭素の働き
過呼吸や口呼吸をしていると体内の二酸化炭素濃度は下がってしまいます。
しかし、この二酸化炭素が体の中でとても重要な役割を果たしてくれています!
その重要な役割とは、細胞に酸素を受け渡すという役割です。
体の素晴らしい機能『ボーア効果』
血液中の二酸化炭素濃度が高ければヘモグロビンと酸素の結びつきが不安定になり、酸素が細胞に届けられるという仕組みになっています。

過呼吸で体内二酸化炭素濃度が低いと血管は細くなり血流が減り、さらに二酸化炭素が体に回らなくなり、酸素はヘモグロビンとより離れにくくなってしまいます。
過呼吸や口呼吸は脳の血管にも影響を及ぼします
体の中の二酸化炭素の濃度変化に最も敏感なのは脳の血管です。

上の写真は、鼻呼吸をした時と口呼吸をした時の脳血管の酸素レベルを示しています。赤や黄色に染まっているところは酸素濃度が高い部分です。
これを見ると口呼吸をしていると脳に酸素が回っていないことが良くわかります。
風船を一生懸命膨らませようとして頭がクラクラするのと同じことが過呼吸、口呼吸では慢性的に起こっています。
鼻呼吸の効果
私たちが吸う空気のCO2の割合は0.03〜0.04%ですが、健康な体を維持するために必要な二酸化炭素は肺で6.5%です。この数字の差を埋めるのに必要なのがゆっくり鼻で腹式呼吸をすることです。
お腹で息をすることでガス交換が活発な肺の下部まで空気が届きます。
鼻呼吸は空気が良い状態で肺に入るのを助けていて、
空気をろ過し、湿度を上昇させ、血液中の二酸化炭素濃度を2割増加させる効果があります。
理想的な呼吸は?
口呼吸は歯並びが悪くなるだけでなく、体の全てに影響を与えます。
睡眠中の歯ぎしりやおねしょ、花粉症、アデノイドや扁桃腺の肥大などにも関わっています。
大切なのは鼻でゆっくり呼吸をすること
理想的な呼吸は
1分間の呼吸数は8〜12回
息どめは少なくとも20秒出来ること
です。
皆さんの呼吸はどうなっているでしょうか?
マイオブレース矯正で最も大切なのは正しい鼻呼吸を獲得すること
マイオブレース矯正で最も大切なのは正しい鼻呼吸を獲得することです。
アクティビティではまず初めに呼吸からスタートしますが、腹式呼吸をしてガス交換がより行われやすい肺の下部まで空気を送ること、二酸化炭素を溜められる体を作ることから始めています⭐️
余談ですが、、、
コロナの有効な治療法として、一酸化窒素吸入が話題になりました。
一酸化窒素は抗病原菌、抗炎症作用、気管支、血管拡張作用があることが報告されていますが、体内の一酸化窒素濃度を上げるのも鼻呼吸です!
ハミングをすればより多くの一酸化窒素が作られることがわかっているので皆さんも是非試してみてください!
監修者情報

院長 堀田有希
経歴
- 2016年 大阪大学歯学部 卒業
- 2017年 大阪大学歯学部附属病院第一口腔外科 臨床研修修了
- 2017年〜2020年 福岡県、山口県にて大型法人施設などで勤務
- 2021年 真田山歯科勤務